品川一帯の開発で注目を集める大井町ですが、昭和レトロなディープな懐かしさだけでなく、品川宿を思わせる石垣や武家屋敷の名残や、荏原七福神をお参りできる寺社など、江戸~明治と続く歴史が感じさせられるスポットがあります。
大井町の歴史スポットを紹介しましょう。
仙台坂と味噌醸造所
大井町には、ゼームス坂、仙台坂という坂があり、仙台坂の方には味噌の醸造所があります。
仙台坂というのも、江戸時代に伊達藩の仙台邸武家屋敷があったことから、自家製の味噌を作る味噌蔵ができたのです。(380年まえ)
大型商業施設が並ぶ大井町駅からわずか徒歩8分ほどで、渋い建物の大きなガラス窓スペースに、味噌の大樽が見えてきます。回りには背の高いマンションなどもある中、重厚な印象がなんとも言えません。
現在も、じっくり1年3ヶ月寝かせた「五風十雨(ゴフウジュウウ)」など、伝統の製法で熟成された味噌が量り売りで売られています。
・仙台味噌醸造所(品川区東大井4-1-10)
鮫洲八幡神社・山内容堂の墓・大井町古墳
鮫洲駅前には、鮫洲八幡神社。創建は不明ですが、江戸時代前半の寛文年間(1661~1672年)以前からここにあり、旧東海道を見守ってきました。
第一京浜を渡ると、緑豊かな小道が見えてきます。
旧・越前鯖江藩真部家下屋敷跡、品川区指定史跡となっている山内容堂の墓、大井町古墳が並んでいます。
ちょうど小高くなったこのエリアの直ぐ側には、立会小学校があり、閑静な住宅街です。
山内容堂は、土佐国高知藩主、維新後は新政府の内国事務総長となった人物。
時代を動かした偉人の墓を目の当たりにして感慨にふけっていると、そのすぐ北側には、大井公園があり、そこには本物の古墳が!
れっきとした、6世紀後半に築造された円墳ですが、大井公園の一部として盛り土されたような外観です。
実は古墳群は5箇所あり、公園として造成する際に埴輪などが出土したそうです。
・鮫洲八幡神社(東大井1丁目)
・旧・越前鯖江藩真部家下屋敷跡(東大井4丁目3)
・山内容堂の墓(東大井4丁目-7-14)
・大井町古墳(大井公園)
大井町の昭和レトロ
品川に高度成長期を支えた大企業のオフィス、最寄りに大井町競馬場があり、駅前の横丁、小路に屋台のように並んだ飲食店が、オヤジさんたちで賑わっていました。
駅前に横丁を抱えながらも、恵比寿はスタイリッシュな街に変身しましたが、大井町では、昭和レトロな個人営業のお店が名所となり、普段着でどこへでも歩いて行ける、気軽さを残しています。
街はきれいになり、洒落た店も増えましたが、気取らない、“いい感じのゆるさ”を併せ持っているのも、大井町の魅力でしょう。
・東小路 (大井町駅北東に位置する飲食街)
・平和小路(東小路の東側にある飲食街小路)