品川独自の新しい教育を調べていると『プラン21』という言葉をよく目にします。
21世紀に向けて、品川区が考える教育プランをまとめたもので、学校選択制や、義務教育学校など、いま行われている新しい政策は『プラン21』をもとに進められています。
今回は、品川の教育改革の拠り所『プラン21』について紹介しましょう。
■3つの視点と長期計画
学校では、不登校、いじめ、学力低下などいろいろ心配な問題が出てきていますね。
品川区でも、公立学校はブランド力もなく、少子化によって児童生徒の数も減少していました。
そんな中、指導方法や教員側の努力はもちろん、地域との協力体制をしき、教育制度のみなおしという、学校・地域・国の3つの視点からの改革『プラン21』が提案されました。
対処療法に終わらせない、長期的な計画性を持った教育プランを目指しており、いままでにない学校運営を実現してきました。
選ばれる学校を作るということは、表面的なアピールで終わってしまう心配がありますが、地域から信頼される学校づくり、時代にあった対応力の育成を実現するために、しっかり予算をつけて未来につながる教育の提供を目指しています。
■なぜ義務教育学校が登場した?
1998年から準備期間が始まり、品川区の教育の見直しが行われました。
校区をなくし、ブロック制を取り入れたのは画期的なことでした。
その後、現行義務教育の6・3・3制を緩やかに捉え、小学校から中学校までの義務教育期間を一貫教育で行う『小中一貫校』のモデル校として、全国に先駆けて『日野学園』が2006年に開校。
小中学校との連携を深めるという段階から一歩進んで、9年間のカリキュラムを、基礎を作る4年・定着の3年・発展の2年とした考え方が行われるようになりました。
今までの6・3制では、入学から3年で客観的に学力を測られる高校入試に備えなければならない中学校は学力を保証しなければと言う思いが強くあるのに対し、小学校では、一部の受験組を除いて遊び中心になりがちです。
緩やかに9年間を見通して学力を保証し、子どもたちの育ちを無理なく未来につなげる義務教育学校が望まれるようになったのです。
■先進的な品川の教育
学校の枠組みそのものを世の中の変化に対応して行くために示されたのが、『プラン21』だということがわかります。
品川区では、スチューデントシティやファイナンスパークなど、社会の縮図を体験できる優れたプログラムも導入されています。
架空の社会人としての経験が、子どもたちに、勉強の意味や、人生の目標に気づかせるきっかけになっていますね。