“家賃を払うくらいならその分でローンを払って持ち家に”と考える方も多いですが、首都圏では、賃貸に住む方が半数を超えています。それだけ、賃貸にメリットを感じる方が多いと言うことでしょう。
賃貸に住むことのメリットについてお話ししましょう。
<賃貸に住んだ場合かかる費用>
・敷金礼金、仲介手数料
・家賃・共益費、更新料
・引っ越し費用
<持ち家に住んだ場合かかる費用>
・頭金、諸費用(購入額の2割程度)
・住宅ローン返済
・固定資産税・都市計画税
・管理・修繕費用
比べて見ると、月々での住宅費の出費を、ローン返済に充てるか、賃貸の家賃に充てるかという考え方であれば、年間10万円は下らないであろう固定資産税・都市計画税の支払いや、管理・修繕費用がかかる持ち家の方が支出は大きくなりそうですね。
ただ、ローンを支払い終われば住宅費は小さくなるものの、不要になったときに、思った価格で処分できるかという問題があります。
『家賃を払うくらいなら持ち家で』と簡単に決められないむずかしさがあるのです。
ちなみに、3,600万円の借入35年ローン2%金利固定で、持ち家購入の月額返済は約12万円です。
首都圏で持ち家率が低い原因は、価格の高さだけではありません。賃貸の最大のメリットは、ライフスタイルによって無駄のない住まいを選ぶことが出来る点です。
シングルなら1Kで通勤が便利な都心、結婚して子育てする時期には子育て環境の良い2DK以上の広さの住宅、転勤、転職の場合には、通勤状況と合わせて引っ越しを検討、子供が独立したら夫婦のみの生活に合わせた物件探し…。
賃貸なら、その時々応じた暮らしにあわせて動きやすいですね。持ち家の場合には、転勤・転職で自分が住めなくなったときに、処分するか貸し出しながらの生活になるでしょう。
住宅ローンを払いながら、転勤・転職先での住宅費を払わなければいけません。
子育てにあわせて持ち家を考える方は多いですが、高校卒業時には、家を出て行くかもしれませんし、20年一緒に暮らせるかわかりません。
都心の便利な立地で、ライフスタイルに合った賃貸に暮らすのは、生活を豊かにするという考え方も出来ます。
A. 一戸建てにこだわって郊外に住み、片道1時間以上の通勤を続け、転勤・転職も家から通えることを条件に生きていく。
B. 賃貸で身軽にその時々の生活スタイルに合わせた住まいを選び、家に縛られない生き方。
地方よりも首都圏で賃貸に住む人が多いのも、こうした賃貸のメリットを感じているからではないでしょうか。